姿勢反射障害という病気をご存知ですか?聞いたことはあるけれどどのような症状なのかはわからないという人もいるでしょうし、今回初めて聞いたという人もいるかもしれません。ここでは姿勢反射障害とはどのような病気なのか、姿勢反射障害の症状や原因について詳しく解説していきます。
姿勢反射障害とは?
まずは姿勢反射障害とはどのような病気なのか解説していきます。姿勢反射障害とは、パーキンソン病の症状のひとつとしてあらわれる病気で、体のバランスがとりづらくなってしまうことが特徴です。体のバランスがとりづらいことで受診をしたところ、パーキンソン病であることがわかったというケースも珍しくありません。
姿勢反射障害の症状
姿勢反射障害には、次のような症状があらわれます。
・なんでもないところでつまずくことが増える
・立ち上がった時に前かがみになりがち
・軽くぶつかっただけでも転倒してしまう
・歩くときに小股になり、足を引きずることが多い
・歩こうとしても足がなかなか前に出ないことがある
・私生活においても膝を曲げていないと体のバランスが取れないように感じる
・足元がおぼつかない
・一度走ると止まることができない
このような症状がある場合、姿勢反射障害の可能性があります。神経内科などを受診し、医師に相談してみることをおすすめします。診察では実際に体を軽く揺さぶり、その反応を観察します。前後左右に揺さぶったり、肩や背中、腰などを前後から押してみたりします。姿勢反射障害でなければこの程度の揺さぶりなら、ほとんどふらつかずしっかり立つことができます。姿勢反射障害の場合、足での踏ん張りが効かずにふらついたり倒れてしまいます。踏ん張りが効かずふらつく程度なら軽度、よろけて後ろに倒れてしまう場合は中度、全く踏ん張れずにそのままばたりと倒れてしまう場合は重度の姿勢反射障害が疑われます。
姿勢反射障害の原因
姿勢反射障害の原因はいくつか考えられますが、脊髄前角から分泌される運動ニューロンの障害による痙性麻痺がひとつの原因だといわれています。先にも触れましたが、姿勢反射障害はパーキンソン病の症状のひとつです。パーキンソン病は脳内ドーパミンの不足やアセチルコリンという物質の増加が原因と考えられています。また小脳が障害を受けてしまい、それによって運動障害が発生するケースもあります。
治療はリハビリが中心
姿勢反射障害の治療は、基本はパーキンソン病の治療を進めていくことになりますが、現在の医学ではパーキンソン病の明確な治療法が確立されていないのが現状です。そのため姿勢反射障害の治療は、薬物療法と合わせてリハビリを行うことが中心となります。放っておくと姿勢反射障害はどんどん進んでしまうため、症状を悪化させないためにリハビリを続けることで、体のバランスをコントロールすることを覚えることが大切です。
まとめ
姿勢反射障害は、年齢を重ねると起こりやすいつまづきやふらつきと似たような症状のため、気づきにくいということもあります。最近足の踏ん張りが効かないという人や、よろけることが増えたという人は、大きな怪我をする前に医療機関を受診してみることをおすすめします。