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姿勢の平衡中枢は実は耳の中!バランスは耳が担っていた

約 4 分
姿勢の平衡中枢は実は耳の中!バランスは耳が担っていた

私達人間は無意識の間に「平衡感覚」を保つ事によって「まっすぐ歩く」事ができていますし「躓いても立ち直れる」といったバランスの設定が自動で行われています。これは「目」という感覚器で得た情報と「耳の中」にある平衡中枢の感覚情報を脳で統合する事によって「自分は今どのような状況にあり、どのような姿勢・体勢でいるのか」という情報を瞬時に把握しているからです。

常に身体の置かれている状況を把握し、その状況に対して最も適した姿勢制御を自動で行っている。それが私達人間が持つ姿勢制御のシステムです。いつも無意識の中で機能しているものですが、これは私達人間が生きていく上で最も基本となる能力の1つです。

そこで今回は人間の姿勢制御の仕組みの中でも「耳」に関して紹介します。

耳は聴覚と平衡感覚の入り口

多くの人は耳は「音を聞く器官」というイメージを持っているはずです。ですが実は耳には別の側面があり「平衡感覚」を担う感覚器官としての役割もあります。実は生物が生きていく上で欠かす事の出来ない能力は耳のイメージである「聴力」ではなく「平衡感覚」の方なのです。

耳における平衡感覚の感覚受容器には「耳石器」と「半規管」があります。この二つの器官をセットで「前庭器官」という呼び方もします。余談ですが聴覚を担当する「蝸牛」という期間がこの前庭器官のすぐそばにありますが、発生の順序は前庭器官の方が早いです。これは生物にとって聴覚よりも平衡感覚の方が重要な感覚であると判断をされた証と言えるでしょう。

半規管と耳石器の役割について

平衡感覚を担う固有需要期である「半規管」と「耳石器」ですが、それぞれが平衡感覚を処理する上で担う役割は異なります。半規管は頭部の回転運動を検出する平衡感覚器です。一方の耳石器は身体の直線加速度を検出する平衡感覚器です。この回転と直進加速度の情報が重なり合って人間の平衡感覚は成立しています。

ただし、私達が実際に意識上に感じる平衡感覚は前庭器官からの情報に全身の感覚情報が加えられた上で統合された平衡感覚なので、純粋に平衡中枢からの情報という訳ではありません。ただ立っている、歩いているだけであっても非常に複雑な仕組みの上で成り立っているのです。

前庭器官は液体の入った迷路

前庭器官は基本的に「リンパ液で満たされたプール」と「迷路」が組み合わさったような構造をしています。平衡感覚はこの「リンパ液」の移動・ゆらぎによって感じ取られる仕組みになっています。

簡潔に説明するならば「水槽」が耳の奥に置かれている様な状態であり、その中に満たされている水の揺れが平衡感覚の情報を生み出す要素だという事です。私達の平衡感覚は頭の位置で決まるのではなく頭の中にある水槽の水の動きによって定まっているのです。※結果的には頭の位置で決まっているともいえる。

良性発作性頭位めまい症は前庭器官の異常で起こる

男性には少なく女性が特に悩む症状としてあるのが「眩暈」です。特に最近多いタイプの眩暈で「良性発作性頭位めまい症」がありますが、これは平衡感覚を司る前庭器官内で起こった異常が原因です。特に多いのが「耳石の迷子」と呼ばれるタイプの「眩暈」で身体を動かそうとすると起こります。これは半規管内に耳石が迷子になった事で起こるとされる眩暈です。この「耳石の迷子」による眩暈は比較的簡単に改善するとされています。

一方で「耳石の迷子」とは明らかに違うタイプの異常とそれによって引き起こされる眩暈があります。これを「クプラ結節型」と呼びます。耳石がクプラと呼ばれる部位に張り付いてしまう事で起こる眩暈で、身体を横にすると起こります。ちなみにどちらも対応方法は確立しているので特に不安を感じる事はありません。すぐに病院にかかって治療をしてもらいましょう。